自己啓発

このまま楽しい思い出のひとつ、好きな人と撮った写真の一枚もないまま、アルバムにはる写真一枚もないまま、何も変わらないままおばあさんになって死ぬだけの人生かと思ったらとても恐ろしくなって、潜在意識で願望実現やら引き寄せやらのサイト見て現実逃避してたら余計つらくなった。

不幸な一生、幸せになれなかった人生、そんなタイトルの本を、いつ幸せな展開になるのかしらと一枚一枚退屈極まりない物語のページをめくっていって、どんどん残り枚数が少なくなっていくのに怯えるくらいなら、そんな本パタンと閉じて投げ出して遊びに行ったほうがずっといい。生まれてはじめて安心できる。自由になれる。たぶん。でもそこもまた本の中だったりして。不幸な人間というタイトルの本から永遠に出れないんだ。